昨今、政府がベンチャー・スタートアップ支援に注力するなど、今後スタートアップ企業によるイノベーションの加速が期待されています。
しかし、次々に誕生する企業・サービスを調査しきれないという方もいるのではないでしょうか。
そこで、当サイトでは様々なキーワードでスタートアップ企業を無料で紹介しており、本記事では、
- スタートアップ企業の事例・動向調査したい方
- 大学発ベンチャーがどんなサービスを提供しているか調査したい方
を対象に、『大学発ベンチャー』をキーワードとして企業名と事業概要をまとめています。
その他にも様々なキーワードで面白い企業・サービスを紹介しているので、ぜひ他のキーワードもチェックしてみてください。
- 大学発ベンチャーとは
- 注目の大学発ベンチャー企業一覧20選
- 【東北大学】エーアイシルク
- 【岩手大学】エイシング
- 【筑波大学】KabuK Style
- 【筑波大学】CYBERDYNE
- 【東京大学】エルピクセル
- 【東京大学】アグロデザイン・スタジオ
- 【東京医科歯科大学】ブレイゾン・セラピューティクス
- 【東京工業大学】メタジェン
- 【早稲田大学】CoreTissue BioEngineering
- 【慶應大学】Spiber
- 【名古屋大学】オプティマインド
- 【名古屋大学】ティアフォー
- 【京都大学】京都フュージョニアリング
- 【京都大学】メトロウェザー
- 【立命館大学】Kyoto Robotic
- 【神戸大学】Integral Geometry Science
- 【神戸大学】バッカス・バイオイノベーション
- 【山口大学】ノイルイミューン・バイオテック
- 【九州大学】Kyulux
- 【九州大学】QPS研究所
- まとめ
大学発ベンチャーとは
大学発ベンチャーとは、大学の研究成果を基に起業したベンチャー企業のことです。
経済産業省の調査によれば2021年度は3,306の大学発ベンチャーが誕生し、バイオ・ヘルスケア・医療機器の分野が最も多い状況です。
また、2021年度の大学別起業数は東京大学(329)が一番多く、次いで京都大学(242)・大阪大学(180)・筑波大学(178)・慶應義塾大学(175)と続きます。
それでは、ここからは全国の大学をピックアップする形で注目の大学発ベンチャーを20社紹介します。
注目の大学発ベンチャー企業一覧20選
【東北大学】エーアイシルク
エーアイシルクは、バイタルデータの取得が可能な新しい繊維「エーアイシルク」を開発した東北大学発ベンチャー企業です。
天然由来のシルクを用いて繊維自体に導電性を持たせることで、不快感なく装着できる素材が「エーアイシルク」です。
【岩手大学】エイシング
エイシングは、低消費電力・低スペックコンピュータでAI活用が可能な独自のエッジAIアルゴリズムを開発し、AI導入支援を行う岩手大学発ベンチャー企業です。
エッジAIではクラウドによる処理に比べて通信が不要になるメリットがあり、瞬時に判断が必要な自動車、ドローンや産業機器などで活用が進んでいます。
【筑波大学】KabuK Style
KabuK Styleは、旅のサブスク「HafH(ハフ)」を提供するトラベルテックカンパニーです。(筑波大学発ベンチャー)
HafHは、毎月定額でお得に楽しくホテルに泊まれる旅のサブスクサービスで、利用者には『週末ホテル暮らし』や『拠点を定めずに生活する人』もいます。
【筑波大学】CYBERDYNE
CYBERDYNEは、身体機能を改善・補助・拡張・再生することができる、世界初の装着型サイボーグを提供する筑波大学発ベンチャー企業です。
筋肉を動かす際に脳から発する電位信号をセンサーで検出し、意思に従った動作を実現し、医療・介護分野で活用されています。
【東京大学】エルピクセル
エルピクセルは、医療×AI画像解析で医療分野のデジタル活用を促進する東京大学発ベンチャー企業です。
CTなどの画像をAI解析して医師の診断をサポートする「EIRL」と創薬プロセスをAIで支援する「IMACEL」を提供しています。
【東京大学】アグロデザイン・スタジオ
アグロデザイン・スタジオは、バイオサイエンスを基盤とした農薬開発・農業バイオ技術で持続的農業に貢献する東京大学発ベンチャー企業です。
ヒトや植物、害虫のそれぞれ異なるDNA情報を比較し、駆除対象にピンポイントで効果を発揮させる農薬を開発しています。
【東京医科歯科大学】ブレイゾン・セラピューティクス
ブレイゾン・セラピューティクスは、薬物送達システムプラットフォーム「Brain Access®」を開発する東京医科歯科大学発ベンチャー企業です。
脳は細胞の密着結合層(血液脳関門)で血液中の化学物質の中枢神経系(CNS)への侵入を食い止めており、治療のための薬剤も侵入を許しません。
Brain Access®は、血液脳関門を超えて脳内に必要な薬剤を送り届ける画期的な技術です。
【東京工業大学】メタジェン
メタジェンは、腸内環境を適切にデザインすることで健康増進・疾患予防を目指す慶應義塾大学と東京工業大学発のバイオベンチャーです。
便検体から腸内細菌の遺伝子と腸内代謝物質を統合的に解析する独自技術「メタボロゲノミクス®」を用い、個人の腸内環境タイプに合わせた適切なアプローチを行います。
【早稲田大学】CoreTissue BioEngineering
CoreTissue BioEngineeringは、膝前十字靱帯(ひざぜんじゅうじじんたい)の再建治療に使用する人工靱帯を開発する早稲田大学発ベンチャー企業です。
人工靭帯には、動物組織から拒絶反応を引き起こす可能性のある細胞成分を除去した「脱細胞化組織」を用いています。
【慶應大学】Spiber
Spiberは、独自の微生物発酵(ブリューイング)プロセスによってタンパク質素材「ブリュード・プロテイン™」を製造する慶應大学発ベンチャー企業です。
化石燃料に頼ることない植物由来であるためサステナブルな素材として注目を集めています。
様々な使い方ができるため、フィラメント糸、カシミヤ、アニマルフリーレザー、樹脂材料などの代替素材として活用されています。
【名古屋大学】オプティマインド
オプティマインドは、物流のラストワンマイルの配車最適化のサービス「Loogia(ルージア)」を提供する名古屋大学発ベンチャー企業です。
独自のアルゴリズムと実走行のビッグデータ解析により、配送者が訪問先をどんな順番/ルートで回るのが最適かという配車計画・配車ルートを自動生成します。
【名古屋大学】ティアフォー
ティアフォーは、世界初のオープンソース⾃動運転ソフトウェア「Autoware」の開発を主導する名古屋大学発ベンチャー企業です。
自動運転という難題に対して、研究成果をあえてオープンソース化することで個人や組織が自動運転技術の発展に関わることができるエコシステムを構築して、自動運転の社会実装を目指します。
【京都大学】京都フュージョニアリング
京都フュージョニアリングは、核融合炉の実現に向けた先進技術を開発する京都大学発ベンチャー企業です。
核融合は原子力とは異なり、大きな圧力と高い温度で水素原子同士が結合する際に発生する膨大なエネルギーを活用するものです。
海水から燃料を取り出せるため無尽蔵に燃料が存在し、二酸化炭素も排出しないのでエネルギー問題を解決しうる革命的な技術です。
【京都大学】メトロウェザー
メトロウェザーは、ドローン社会の実現のために都市上空の風の状況をリアルタイムに可視化し、風に関する空のインフラ整備を行う京都大学発ベンチャー企業です。。
独自開発した小型ドップラーライダー「Wind Guardian」で空気中の微粒子の動きを捉えて、風の移動速度と向きを計測します
【立命館大学】Kyoto Robotic
Kyoto Roboticsは、物流倉庫でピッキングするAIロボットによる省人化を実現する立命館大学発ベンチャー企業です。
3次元認識技術、ロボット制御とAI技術に優れており事前のワーク登録なしでもその場でモノを認識してピッキングが可能です。
【神戸大学】Integral Geometry Science
Integral Geometry Scienceは、物体から発する「場」を解析する研究成果を基に起業した神戸大学発ベンチャー企業です。
物体から発する「場」を解析し、高精度に3次元画像を非破壊で構築できる計測システムを開発・製造しています。
具体的には乳がん検査、電池の非破壊検査、セキュリティ対策や自動運転のための技術開発を行っています。
【神戸大学】バッカス・バイオイノベーション
バッカス・バイオイノベーションは、神戸大学のバイオ技術を生かして、微生物等による有用物質生産に関する受託サービス等を開発する統合型バイオファウンドリです。
バイオファウンドリとは、バイオ技術とAI技術で遺伝子変化した細胞「スマートセル」をを開発し、効率的に生産する仕組みの事です。
【山口大学】ノイルイミューン・バイオテック
ノイルイミューン・バイオテックは、がんを発見し強力に攻撃する能力を持つ「CAR-T細胞」によるがん免疫療法の開発を行う山口大学発ベンチャー企業です。
Heartseed株式会社は、iPS細胞を用いた再生医療による心臓病治療の研究を行う慶應大学発ベンチャー企業です。
心臓移植以外で根治が難しいとされている心臓不全に対して、iPS細胞作製・培養・移植デバイスの開発しています。
【九州大学】Kyulux
Kyuluxは、有機ELディスプレイや照明に用いる次世代材料を開発する九州大学発ベンチャー企業です。
レアメタルに頼ることなく、コストパフォーマンスに優れた長寿命かつ高純度の発色、高効率な発光を実現するTADF/Hyperfluorescence™発光技術を持っています。
【九州大学】QPS研究所
QPS研究所は、小型SAR※衛星で世界中の好きな場所を平均10分以内に観測するサービスの社会実装を目指す宇宙系九州大学発ベンチャー企業です。
すでに複数の小型衛星の打ち上げに成功しており、2021年3月に画像取得にも成功しています。
※SAR:合成開口レーダー。24時間天候を問わず高解像度に地球観測可能。
まとめ
今回は北から南まで全国の大学をピックアップする形で、注目の大学発ベンチャーを紹介しました。
2021年度は3,306の大学発ベンチャーが誕生し、起業数は年々増加傾向にあります。政府はスタートアップ支援に注力することを表明しており、今後益々ベンチャー・スタートアップ企業が増加していきます。
日本には他にも多くの魅力的なベンチャーが日々新しいサービスを打ち出しているので、ぜひ他のキーワードでも面白いベンチャーを探してみてください。
以上