昨今、政府がベンチャー・スタートアップ支援に注力するなど、今後スタートアップ企業によるイノベーションの加速が期待されています。
しかし、次々に誕生する企業・サービスを調査しきれないという方もいるのではないでしょうか。
そこで、当サイトでは様々なキーワードでスタートアップ企業を無料で紹介しており、本記事では、
- スタートアップ企業の事例・動向調査したい方
- 建設テックを用いて、建築現場・工事現場のDXを推進したい方
を対象に、『建設テック』をキーワードとして企業名と事業概要をまとめています。
その他にも様々なキーワードで面白い企業・サービスを紹介しているので、ぜひ他のキーワードもチェックしてみてください。
建設業界の現状と建設テックベンチャーへの期待
建設現場で時間を割いている作業とは
建設現場では、イメージした通り建築に時間がかかっているだけではなく、実は施工が設計通り進んでいるかの「記録作業」に多くの時間を割いている。建設業界はゼネコンを頂点とする多重下請け構造のため、実際の現場の技術員は元請けの細かい要求に対処した記録として詳細な記録を残す必要がある。
アナログな写真整理と報告書の作成
そのため建設現場では写真が信じられないほどの量になる。しかも現場が終わった後に大量の写真をアナログな手法で設計図と比較して報告書にまとめるという非効率な手法を取らざるを得ない。結果として、建築現場では建築作業ではなく、バックオフィス作業の忙殺されて遅くまで残業を強いられている。
国交省が推進するI-Construction
少子高齢化が進む日本では今までの手法では建築やインフラを維持できないと考えた国土交通省は建設・土木現場等での積極的なICT活用の推進を「I-Construction」と銘打って予算をつけて支援している。具体的な内容としては、建設テックに関する調査・技術開発をしたり、インフラDXのベストプラクティスを紹介したり、I-Construction大賞を設立したりと様々な活動をしている。(国交省のI-Constructionページはこちら→リンク)
建設テックベンチャーへの期待
大手ゼネコンだけでなく、これまでにないアイデアで建築DXを実現する建設テックベンチャーには多くの期待がかかっており、多くの会社が様々なサービスを打ち出している。
そこでここからは、日本の建設DXを推進する建設テックベンチャーを10社紹介します。
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建設テックベンチャー企業10選
【施工管理効率化】アンドパッド
アンドパッドは、施工管理を効率化するクラウドサービス「ANDPAD」を提供しており、建設テック業界で最注目の企業です。
ANDPADは、営業段階からの顧客管理、建設中の施工管理、関係者間の連絡ツール、経営改善用のデータ管理まで対応しており、建設プロジェクトをワンストップで管理できます。
これまで営業管理・施工管理・経営管理など各フェーズで異なるシステムを使っている企業が多く、2重で情報を登録する必要がありましたが、ANDPADならこれ一つで解決するためバックオフィスの効率化に繋がります。
建設中は図面にアプリ上でコメントを残し、スマホで写真を撮ってすぐにアップロードできるため報告の精度や利便性に優れ、建設現場の透明性確保と効率向上に繋がる画期的なサービスを提供しています。
【施工管理効率化】CLUE
CLUEは、ドローンを使って建設現場の定点撮影をすることで日常の情報収集を省人化する「ドローン施工管理くん」を提供しています。
ドローン施工管理くんは、画面タッチの簡単操作で安全にドローンの操縦を行うことができるiPadアプリです。
経路飛行機能やお絵描き飛行機能といった建設現場に合わせた飛行モードに加え、ドローンで撮影した画像データの管理機能などを提供することで、建設現場における施工管理業務のDXを実現しています。
このアプリの他にも点検業務に必要となるドローン本体、保険、iPad、飛行許可申請、アフターサービス等をパッケージで提供しています。
また、操作面のみならず、変化するドローン関連法規への対応など、誰でも簡単にドローンを使った現場・施工管理ができる支援もしています。
【施工管理効率化】アルダグラム
アルダグラムは、現場のDXを実現する施工管理アプリ「KANNA(カンナ)」を提供しています。
現場の進捗、顧客情報や物件情報を一元管理し、図面や現場写真含めて最新情報を常にリアルタイムに共有することができます。
登録した写真から簡単に報告書を作成できたり、チャット機能で簡単に報告・相談ができるため効率的に仕事を進めることができます。
【施工管理効率化】フォトラクション
フォトラクションは、建設業における図面管理・工程管理などの業務プロセスを効率化する建築生産支援クラウド「Photoruction」を提供しています。
工事写真の管理、検査状況や全体のタスクを一元管理してリアルタイムに共有できるため情報共有のスピードアップと生産性が向上します。
【施工管理効率化】グローバ
グローバは、建設業界向けに完全無料で施工管理アプリ「クラフタ」を提供しています。
建設・建築・リフォーム業界全体の非効率を解消を目指し、顧客と案件情報を一元管理して、チャット機能で無駄なFAXやメールを減らして効率的なコミュニケーションを実現してくれます。
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【施工管理効率化】BRANU
BRANUは、建設業界のDXを実現するテックカンパニーです。
建設業の施工管理におけるデータ管理やコミュニケーション問題を改善し、施工管理の効率化を図るクラウド施工管理ツール「CARRECON for WORK施工管理」を提供しています。
【建築用3Dプリンタ】Polyuse
ここまでの企業は従来の施工を効率化することに重点を置いていましたが、Polyuseは建設用3Dプリンターでの建築という新たな着想を持つ建設テック企業です。
同社は建設用3Dプリンターを使って家を建築し、すでに建築基準法を家を建てる事に成功しています。
この技術を使えば、わずか300万円で家が建ち、工期を5分の1に短縮することができます。この技術が発展していけば今後は頻繁に家を住み替える、建て替えるといった時代が来るかもしれません。
また、この技術には建築技術が発展していない国からも熱視線を浴びており、リベリアの駐日大使も視察に訪れ「自国での活用方法を検討したい」と発言しています。
リベリアでは多くの市民が粘土を使った住居に暮らしており、5年から10年ほどで崩れてしまうそうです。この技術はそうした国々の人に安価で頑丈な家を提供して、生活の質を上げてくれる可能性を秘めています。
【建機遠隔操作】ARAV
ARAVは、既存の建機でも後付けで遠隔操作を可能にする「REMOTE CONTROL」を提供しています。
建機を遠隔操作できるようになれば、技術を持った職人さんが移動することなく様々な現場で活躍できるため生産性の向上に繋がります。
また、掘る・刈る・入れるなどの単純作業の自動化にも取り組んでおり、同社の技術開発と社会実装が進めば建設現場の効率化は益々進んでいくと言えるでしょう。
【建材検索】トラス
トラスは、建材選択クラウド「truss(トラス)」を提供しています。
trussは、メーカー横断で建材を比較し的確な製品を探すことができる建築業界関係者のためのクラウドサービスです。
紙のカタログを一つ一つめくって探すことから解放され、法規・性能値・保証期間・設計価格・工法など目的から簡単に絞り込むことができます。
【工事会社マッチング】クラフトバンク
クラフトバンクは、建設業界において発注会社と工事会社とのマッチングサービスを提供しています。
2000項目にわたる対応可能工事情報や希望人工単価や取引先情報などをデータベース化し、要件に合致する工事会社を見つけることができます。
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まとめ
今回は、『建設テック』をキーワードにベンチャー・スタートアップ企業を10社紹介しました。
日本には他にも多くの魅力的なベンチャーが日々新しいサービスを打ち出しているので、ぜひ他のキーワードでも面白いベンチャーを探してみてください。
以上