昨今、政府がベンチャー・スタートアップ支援に注力するなど、今後スタートアップ企業によるイノベーションの加速が期待されています。
しかし、次々に誕生する企業・サービスを調査しきれないという方もいるのではないでしょうか。
そこで、当サイトでは様々なキーワードでスタートアップ企業を無料で紹介しており、本記事では、
- 介護の分野で新しいサービスを探している方
- スタートアップ企業の事例・動向調査したい方
を対象に、『介護・福祉』をキーワードとして企業名と事業概要をまとめています。
その他にも様々なキーワードで面白い企業・サービスを紹介しているので、ぜひ他のキーワードもチェックしてみてください。
日本の介護福祉の現状と課題
日本の高齢化率は年々上昇し、世界でも有数の高齢化社会です。高齢者が増える中で、介護職員不足が深刻化しており、介護を必要とする高齢者が増加する一方で、介護職員が不足しているため、適切な介護サービスを提供することが難しくなっています。
また、介護保険制度の財政難も課題のひとつです。介護保険制度は、介護を必要とする高齢者が自己負担分を支払い、国や自治体からの補助金を受けて、介護サービスを受けることができる制度です。しかし、介護保険料収入と介護サービス費用が逆転する「逆進性」の問題があり、財政的な問題が生じています。
スタートアップ企業への期待
そんな介護福祉の課題を柔軟な発想とテクノロジーの力で解決するスタートアップ企業には多くの期待が寄せられています。以下に、具体的にスタートアップ企業に期待されていることについて解説します。
介護職員不足の解消
介護職員の不足は、介護サービスを受ける高齢者にとって大きな問題です。スタートアップ企業は、介護現場における作業の効率化や業務の自動化などを実現するテクノロジーを開発することで、介護職員の負担を軽減する取り組みが求められています。
介護保険制度の改善
介護保険制度の財政的な問題に対しては、効率的な運用が求められています。スタートアップ企業は、介護保険制度の運用に関するプラットフォームやシステムを開発することで、介護サービスの質や効率性を向上させ、介護保険制度の改善に貢献することが期待されています。
高齢者の生活支援
高齢者は、介護だけでなく、日常生活の支援も必要としています。スタートアップ企業は、高齢者向けの生活支援サービスの開発に注力することで、高齢者が自立した生活を送ることができる環境を提供することが期待されます。
コミュニケーションの改善
介護現場では、高齢者やその家族とのコミュニケーションが重要です。スタートアップ企業は、高齢者やその家族と介護職員とのコミュニケーションを改善するためのツールやサービスの提供が求められています。
介護の質の向上
介護の質の向上は、高齢者やその家族にとって非常に重要です。スタートアップ企業は、AI技術やIoT技術を活用して、介護サービスの質の向上に取り組むことが期待されています。
以上のように、日本の介護福祉には多くの課題がある中で、スタートアップ企業の持つテクノロジーやサービスの革新による課題解決に大きな期待が集まっています。
それでは、ここからは介護・福祉領域で実際にサービスを提供している企業を紹介していきます。
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福祉・介護系ベンチャー企業12選
WHILL
WHILLは、自動運転も可能な次世代型電動車いすを開発・製造・販売するベンチャー企業です。
病院、空港やショッピングモールでの活用が進んでおり衝突回避しながら自動で目的地に到着することも可能です。
aba
abaは、医療・介護・福祉分野を対象としたロボティクス技術の研究開発及びサービス提供するベンチャー企業です。
ベッドに敷くだけでにおいで尿と便を検知し、おむつ交換タイミングを通知する「Helppad」を提供しています。
イチロウ
イチロウは、電球の交換など公的介護保険では認められていない範囲までサポートするオーダーメイド介護サービス「イチロウ」を提供しています。
問い合わせからサービス利用までをスムーズにするための独自マッチングシステムを構築して、最短で当日のサービス利用が可能です。
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ドットライン
ドットラインは、在宅医療・看護・介護・障害福祉サービスなど医療福祉分野において地域社会を支える企業です。
「地域の困ったをありがとうに変える」を目標に、千葉県を中心に医療福祉サービスを展開しており、2019年:約6.5億円、2020年:約13億、2021年:約32億円と急成長しています。
manaby
manabyは、障害のある方が働くまでの道のりを包括的にサポートする障害福祉サービス「manaby」を提供しています。
manabyは、ITスキルと自分らしさをまなび、自分らしい働き方を見つける就労移行支援事業所であり、個別ブースでeラーニング動画で学びながら自分のペースでスキルを身に着けます。
そして、障害特性から外出困難な方、人混みで体調を崩してしまう方でもパソコンとネットがあれば場所に囚われずに仕事ができる、自分らしい働き方を応援することを使命としています。
Olive Union
Olive Unionは、補聴器の進化版となる会話サポートイヤホン「Olive SmartEar Plus」を提供しています。
今までの補聴器や集音器とは一線を画すスマートなデザインの次世代型イヤホンであり、専用アプリで自分好みに調整して聞きたい音だけを大きくクリアに聞くことができます。
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リハサク
リハサクは、リハビリの動画メニューを配信する運動療法クラウドシステム「REHASAKU」を提供しています。
通院初回に身体検査を行い、診断名・症状・スポーツ種目・ADL状況に応じて800種類以上の運動メニュー動画で通院していない期間もリハビリをサポートします。
BionicM
BionicMは、ヒューマノイドロボット技術を応用したロボティクス義足を開発する東京大学発ベンチャー企業です。
動力によって動作をアシストし、動力によって膝折れを防止してくれます。
CYBERDYNE
CYBERDYNEは、身体機能を改善・補助・拡張・再生することができる、世界初の装着型サイボーグを提供する筑波大学発ベンチャー企業です。
筋肉を動かす際に脳から発する電位信号をセンサーで検出し、意思に従った動作を実現し、医療・介護分野で活用されています。
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Arblet
Arbletは、ウェアラブルデバイスから得られる⽇常⽣活下のバイタルデータにより個人の経時的変化を見極め、緊急アラートや疾病リスク予測などを行い、健康な生活のサポートを行います。
現在は生体情報計測デバイスと脳卒中経験者限定のSNSアプリ「Gerbera」を提供しており、データ基盤の構築とともにサービス範囲や精度の向上が期待されます。
サイマックス
サイマックスは、独自のバイオセンシング技術と生体情報解析に強みを持つ会社です。
トイレをいつも通り使うだけで生体情報をセンシングし、AIで解析することで健康状態を把握します。
インスタリム
インスタリムは、AI技術を活用して海外(主にフィリピン)で3Dプリンタによる義足の製造・販売をするベンチャー企業です。
義足は1本あたり30~100万円と高価であり、納期は1か月程度かかりますが、インスタリウムは3Dプリンタを使うことで約10分の1の値段かつ短納期で義足を提供できます。
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まとめ
日本は少子高齢化が進むことで労働力の確保が難しくなり、今後より一層介護の効率化と質の向上が必要になってきます。
その課題を解決するようなスタートアップ企業の革新性とテクノロジーの力に、今後益々注目が集まってきます。今回はその一端を担うベンチャー・スタートアップ企業を12社紹介しました。
今回紹介した企業をはじめとして多くの企業がこの課題解決に取り組んでいるので、悲観することなく介護福祉業界の発展を注視していきましょう。
日本には他にも多くの魅力的なベンチャーが日々新しいサービスを打ち出しているので、ぜひ他のキーワードでも面白いベンチャーを探してみてください。
以上