昨今、ロボットの進化に伴い「ヒューマノイド」という言葉が出てきました。
しかし、
- ヒューマノイドって何？
- どんな種類があるの？
- ロボットとの違いはなに？
という疑問に感じる方も多いと思います。
そこでこの記事では、ヒューマノイドとは何か？実際にどんなヒューマノイドがあるのかなど「ヒューマノイド」というキーワードを徹底解説していきます。
ヒューマノイドとは？
ヒューマノイドとは、2本の腕と2本の脚を持ち、頭部にカメラやセンサーを備えた人間に近い形態を持った人型ロボットのことを指します。ヒューマノイドは、人間と同じように動き、表情をつくり、音声でコミュニケーションをとることができます。
ヒューマノイドの種類
ヒューマノイドは多くの企業が開発を進めています。ここではその代表例について５つ紹介します。
Engineered Arts – Ameca
Engineered Arts（英）が開発したAmecaは、人間に近い高度なレベルの表情やジェスチャーが可能なヒューマノイドです。博物館や科学館などの施設での展示や教育分野での活用が期待されています。
Boston Dynamics – Atlas
Boston Dynamics（米）が開発したAtlasは、バク転といった複雑な動作もこなすことができるヒューマノイドです。作業現場での物資運搬や足場の悪い災害現場などでの活用が期待されています。
Agility Robotics – Digit
Agility Robotics（米）が開発したDigitは、複雑な環境下でも安定した歩行が可能であり、配送や倉庫などでの活用が期待されています。
トヨタ自動車 – T-HR3
トヨタ自動車が開発したT-HR3は、全身を電動で制御するヒューマノイドロボットです。T-HR3は、2本の腕と2本の脚を持ち、人間と同じ動作を行うことができます。さらに、VR技術を用いて遠隔地からの操作も可能であり、介護現場での活用が期待されています。
メルティンMMI – MELTANT-β
メルティンMMI（日本）が開発したMELTANT-βは、作業現場での実証実験用に開発したアバターロボットです。遠隔地からアバターロボットを操作し、現場で実際に工具を使って作業したりすることができます。
ヒューマノイドとロボットの違い
ヒューマノイドについてイメージができたところで、ここではロボットとの違いについて深堀します。
外見の違い
ヒューマノイドは、人間に似た外見を持つロボットのことを指し、頭、胴体、腕、脚など、人間に近い形状をしています。一方、ロボットは、様々な形状や大きさを持つことができます。
機能の違い
ヒューマノイドは、人間と同様に、複雑な動きや表情を再現することができます。また、対話機能を持ち、人間とのコミュニケーションを図ることができます。一方、ロボットは、工場などでの製造業務や掃除機ロボットなど、ある特定のタスクに特化して開発されることが多く、人間とのコミュニケーション機能は限定的です。
動力源の違い
ヒューマノイドは、主に電気モーターなどの電力を利用して動きますが、一部のヒューマノイドは、空気圧や油圧を利用することもあります。一方、ロボットは、電気モーター、油圧、空気圧、または燃料電池など、多様な動力源を利用することができます。
ヒューマノイドの応用分野
ヒューマノイドは、様々な分野で利用されており、以下にその応用分野の一例を挙げます。
教育分野
ヒューマノイドは、子どもたちにプログラミングや科学技術などを教えるための教材として利用されます。また、言語学習やコミュニケーションスキルの向上を目的としたプログラムにも活用されています。
物流分野
ヒューマノイドは物流倉庫から個人宅配送に至るまで物流分野で幅広く活用が期待されています。物流倉庫ではピッキングや荷物の持ち運び、個人宅配送ではエレベーターに乗ってベルを鳴らしてサインをもらうことまで可能になります。
医療分野
介護ロボットとして、高齢者や障がい者の介護を支援するために利用されます。また、手術支援ロボットとしても活躍し、より正確な手術を行うことができます。５Gなどの高速通信と組み合わせれば優秀な医師が世界中で手術をすることが可能です。
製造業分野
自動車や電子機器などの製造ラインで利用され、より柔軟で正確な作業を行うことができます。また、階段の上り下りも可能なので日常的な巡視点検の代替手段としても期待できます。
サービス業分野
ヒューマノイドは、ホテルや銀行などの接客業で利用され、顧客とのコミュニケーションを図ることができます。荷物の持ち運びから客室の案内、簡単な手続きなどを人に代わって行うことが期待されています。
軍事分野
ヒューマノイドは、爆弾処理や救助活動など、危険な場所での人命救助や任務の遂行のために利用されることがあります。
これらのように、ヒューマノイドは、様々な分野で活用され、より効率的かつ正確な作業を行うことができます。
ヒューマノイドの技術的な仕組み
ヒューマノイドは様々な技術が使われており、ここでは主な技術的な仕組みを解説します。
機械学習
ヒューマノイドは、機械学習技術によって、周囲の環境を認識し、自己位置推定や障害物検出などを行うことができます。機械学習は、人工知能の一種であり、コンピュータが自己学習することによって、データからパターンを認識し、予測することができます。
コンピュータビジョン
ヒューマノイドは、カメラやセンサーを使用して、周囲の環境を認識することができます。コンピュータビジョン技術によって、ヒューマノイドは、物体検出、顔認識、姿勢推定、深度推定などを行うことができます。
音声認識
ヒューマノイドは、マイクロフォンを使用して、人間の音声を聞き取ることができます。音声認識技術によって、ヒューマノイドは、人間の言葉を認識し、理解することができます。
人工知能
ヒューマノイドは、人工知能技術によって、学習や推論、自己修復などを行うことができます。人工知能は、人間の知能を模倣したものであり、機械学習、自然言語処理、知識表現などが含まれます。
人間の生体信号解析
人間の生体信号解析により、ヒューマノイドは人間の動きを模倣することができます。この技術は、筋電位センサーなどの様々なセンサーを使用して、人間の筋肉の電気信号を計測することにより実現されます。これにより、人間が行っている動作をヒューマノイドにも再現することができます。
遠隔制御技術
遠隔制御技術を使用することにより、遠隔地からでもヒューマノイドを操作することができます。この技術は、Wi-FiやBluetoothなどの通信技術を使用し、遠隔地からコンピューターなどのデバイスを介してヒューマノイドを制御することができます。これにより、人間が現地に行かなくても、遠隔地での操作が可能となります。
これらの技術を駆使することにより、よりヒューマノイドは高度で複雑な動作を可能としています。
ヒューマノイドの将来性
ヒューマノイドの開発が進むことで、教育・物流・医療・製造・サービス・軍事・介護・建築など様々な分野で人間に代わりヒューマノイドが活躍する可能性を秘めています。
一部、ヒューマノイドは人間の仕事を奪うのでは？という声もありますが、ヒューマノイドは人間を単純作業や危険作業から解放してくれる技術とも言えます。
今後ヒューマノイドが進化するにつれて人間と共存する新たな社会システムの構築が求められ、私たちは本当に人間がすべき事とは何か？を考えることになるでしょう。
まとめ
今回は将来的な活用が期待されるヒューマノイドについて解説しました。
ヒューマノイドは人間に近い形で高度な作業や表情が出せるロボットの一種で、様々な分野での活用が見込まれています。
今後も、ヒューマノイドの技術は飛躍的に進歩していくことが予想され、その発展に伴い、私たちの生活や社会が大きく変化する可能性があるため、今後も目が離せない分野です。
以上
