昨今、政府がベンチャー・スタートアップ支援に注力するなど、今後スタートアップ企業によるイノベーションの加速が期待されています。
しかし、次々に誕生する企業・サービスを調査しきれないという方もいるのではないでしょうか。
そこで、当サイトでは様々なキーワードでスタートアップ企業を無料で紹介しており、本記事では、
- スタートアップ企業の事例・動向調査したい方
- 様々なSaaSのサービスを調査したい方
を対象に、『SaaS』をキーワードとして企業名と事業概要をまとめています。
その他にも様々なキーワードで面白い企業・サービスを紹介しているので、ぜひ他のキーワードもチェックしてみてください。
SaaSとは？
まずは、SaaSとは何かについて解説していきます。
SaaSとは、「Software as a Service」の略語です。SaaSはクラウドサーバーにあるソフトウェアをインターネット経由で提供するビジネスモデルのことを指します。
SaaSは従来のソフトウェアのようにユーザーがインストールやアップデートを行う必要がなく、SaaS企業側にあるクラウドサーバーのソフトウェアにインターネット経由でアクセスして使うため、ネットワーク環境があれば誰でもどこでもすぐに使えるのが特徴です。
例えば、GoogleドキュメントやSalesforceなどが、代表的なSaaSの例として挙げられます。企業が自社の業務に必要なソフトウェアをSaaSとして利用することで、コスト削減や業務効率化などの効果が期待できます。
IaaS、PaaS、DaaSとの違いは？
最近は「●aaS」という言葉が乱立していてよくわからないという方も多いと思います。そのためここでは、SaaSに近しいIT用語の『PaaS』、『IaaS』、『DaaS』についても解説します。
IaaSとは、Infrastructure as a Serviceの略語で、アプリケーション運用に必要なサーバーなどのハードウェアをインターネット上で提供するサービスです。ソフトウェア負荷に応じてサーバー追加するなど、柔軟にコンピューターリソースを拡充できるのが特徴です。Amazon Web ServicesやMicrosoft Azureなどが代表的なIaaSの例です
PaaSとは、Platform as a Serviceの略語で、IaaSで提供されているハードウェア基盤に加えて、ソフトウェアを動かすのに必要なOSやミドルウェアなどのソフトウェア基盤をインターネット上で提供するサービスです。
例えば、HerokuやGoogle App Engineなどが代表的なPaaSの例です。
SaaSは、この基盤を活用して実際にソフトウェアを開発して、そのソフトウェアをインターネット上で提供するサービスのことです。
DaaSとは、Desktop as a Serviceの略語で、デスクトップ環境をクラウド上で再現してインターネット経由で提供するサービスです。クラウド上に自分のデスクトップ環境があるので、いつもと違うパソコンを使ってもいつもと同じデスクトップ環境で仕事ができます。
スポンサーリンク
SaaSの市場規模
SaaS市場は、中小企業のSaaS導入率の上昇を主な要因として急速に成長しており、日本のSaaS市場の規模は2020年において前年比約15%増の約2,075億円、2025年には3,874億円にまで拡大すると予測されています。
日本のSaaS市場は、ビジネス分野が主な市場となっています。CRMや人事・給与管理などの業務支援系アプリケーションが中心で、さらには、ビジネスインテリジェンスやビッグデータ、AIなど、ビジネスにおけるデータ活用を支援するサービスも増加しています。
さて、ここからはサービス種類別に注目のSaaS企業を紹介していきます。
経営支援用SaaS企業
Resilire
Resilireは、サプライチェーン全体の見える化と被災時のリスク管理ができるサービス「Resilire」を提供しています。
災害時にはシンプルな被災把握マップでサプライヤー拠点の被災状況を確認し、各サプライヤーに連絡と回答情報を集約できます。
Scale Cloud
Scale Cloudは、事業全体の数値を部門横断的にすべて可視化し、最も優先すべきKPIを判別してチームプレーでビジネスをグロースさせるクラウドシステム「Scale Cloud」を提供しています。
事業全体をKPIツリーにして予実のズレを瞬時に把握し、改善すべきKPIをリコメンドしてれるため迅速に原因分析と解決に向けたアクションが取れます。
Beatrust
Beatrustは、人材情報を可視化し、チームの垣根を越えて経験やスキルを共有するための新たな検索プラットフォームを提供しています。
異動履歴、スキルだけでなく特技・趣味・背景などもシンプルに見える化してつながりを強化し、日常のコミュニケーションデータからプロフィールに反映すべき自分の特性を自動抽出してくれます。
プロフィナンス
プロフィナンスは、事業計画策定の支援ツール「Vividir」を提供しています。
良いアイデアを思いついて新規事業を立ち上げようにも会計知識に乏しくて事業計画書の収益構造を書き上げられない社会人向けに、体系化されたいくつかの収益モデルから目指すモデルを選択し、ガイドに沿って入力するだけで資金計画が作れるサービスになっています。
スマートラウンド
スマートラウンドは、スタートアップの資金調達業務と投資家の投資先管理業務を効率化する「smartround」を開発しています。
マニュアル・テンプレートで自社の情報を整理・共有し、サービス内でつながりを持つことができます。
その他、スタートアップ向けには株主総会の招集通知・決議状況の一元管理機能、投資家向けには投資先の各種データ管理機能を有しています。
スポンサーリンク
営業支援用SaaS企業
Sansan
Sansanは、名刺データのデジタル化を中心とした営業DXサービスを提供する企業です。
企業データベースを標準搭載し、面談記録なども出来る「Sansan」や個人向けの名刺管理アプリ「Eight」などを提供しています。
ベルフェイス
ベルフェイスは、オンライン営業システム「bellFace（ベルフェイス）」の開発・販売事業を行う企業です。
bellFaceはアプリインストールやURL発行などの事前準備いらずで、スマホやPCで簡単に資料や画面を共有できるオンライン営業システムであり、PCが苦手な年配の方などリテール営業に活用可能です。
また、商談内容を記録してトップ営業マンのノウハウをチームで共有することも可能です。
Baseconnect
Baseconnectは、法人営業を支援するクラウド型企業情報データベース「Musubu」を提供しています。
Musubuは140万件を超える企業データを網羅し、多彩な絞り込み軸から営業リストを簡単に作成でき、リストに対してそのままメール送信も可能です。
UPWARD
UPWARDは、営業活動の可視化による営業現場のDX化を支援する企業です。
位置情報から営業の滞在先を自動検知・自動記録し、シンプルな作りを意識したモバイルアプリで商談結果の簡単報告が可能です。
また、データを社内で共有し、顧客管理や行動計画の立案にも役立ちます。
スポンサーリンク
人事向けSaaS企業
SmartHR
SmartHRは、人事・労務の業務効率化を実現し、働くすべての人の生産性向上を支えるクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供するベンチャー企業です。
- 入社手続きや年末調整などの多様な労務手続きをペーパーレス化し、データとして蓄積
- 勤怠や給与計算システム等との連携により、様々なデータの一元管理も可能
- 蓄積した従業員データを活用できる人材マネジメント機能により、働きたい職場環境の創出に貢献
HRクラウド
HRクラウドは、募集・候補者管理・選考管理・分析・内定・タスク管理を一括で行う「採用一括かんりくん」を提供しています。
LINEと連携して返信率・参加率をアップさせ、月額２万円から導入可能で、採用管理業務のオートメーション化を進めてコスト削減も実現します。
リーディングマーク
リーディングマークは、自社の社風を分析して採用基準を策定して、採用候補者とのミスマッチを防ぐ「ミキワメ適正検査」を提供しています。
採用基準と候補者を照らし合わせてS～Eの14段階で適性を表示し、性格特性や各部署との相性もわかるシステムです。
ワークサイド
ワークサイドは、入社する従業員一人一人にあった入社体験を構築するオンボーディング特化型のクラウドサービス「Onn」を提供しています。
入社する方へのアンケートを通じて、よかったこと・悩みやモヤモヤをタイムリーにキャッチして現場での早期フォローを促進します。
Skillnote
Skillnoteは、製造業を中心に導入されているスキルマネジメントシステム「Skillnote」を提供しています。
従業員のスキルや資格保有状況を一元管理し、有効期限管理や、育成計画の作成と進捗管理を行えます。
また、研修計画の立案から対象者選定事務連絡や教育記録まで残すことが可能です。
スポンサーリンク
バックオフィス用SaaS企業
LegalOn Technologies
LegalOn Technologiesは、契約書をアップロードするだけで、予め大量の契約書データと弁護士の知見を学習させたAIが瞬時にリスクや抜け漏れを洗い出すクラウドサービスを提供しています。
この会社は『法務』という領域に着目し、同じような注意喚起がされやすい契約書業務においてAI解析の要素も取り入れて、汎用性の高い機能開発を行っています。
カミナシ
カミナシは、現場のムダを削減し利益を生む現場づくりを実現する現場DXプラットフォーム「カミナシ」を提供しています。
手書き情報のデータ化から集計、報告など、これまで紙やエクセルで行っていた事務作業やルーティンワークをデジタル化し、一元管理が可能です。
製造や小売、飲食、物流などのあらゆる業界で、ペーパーレス化、業務効率化、働き方改革をサポートし、現場DXの実現に貢献しています。
A1A
A1Aは、調達部門向けに見積管理・比較などの査定プロセスをデジタル化する「RFQクラウド」を提供する企業です。
RFQクラウドでは、見積書の自動振り分け管理・過去実績単価との自動参照・回答漏れの防止・サプライヤとの交渉履歴の蓄積など、見積という分野において様々な機能を提供しています。
TOKIUM
TOKIUMは、「無駄な時間を減らして豊かな時間を創る会社」をビジョンに経理業務効率化するクラウドサービスを提供するベンチャー企業です。
具体的には以下のサービスを提供しています。
- 領収書自動入力とスマホによる申請承認を完結する「TOKIUM経費精算」
- 請求書のデジタル化による一元管理と処理を行う「TOKIUMインボイス」
- レシートで家計管理する「＋Dr.Wallet」
- レシートの送付で特典がもらえる「Receipt Reward」
Hubble
Hubbleは、迅速でミスのない契約書管理業務を実現するクラウドサービス「Hubble」を提供しています。
契約書をデジタル管理し、簡単に検索できたり、一覧で管理できたりします。
また、ひな形が管理されており、契約書の変更点があれば自動抽出し、マーキングして見落と防止に繋がる機能も持っています。
HiTTO
HiTTOは、社内向けに特化したAIチャットボット 「HiTTO」を提供しています。
日本中の人事・総務・労務・経理・情報システムなどのバックオフィスのナレッジを体系化し、膨大な質問パターンを学習させた「共通AI」を搭載しています。
新しいナレッジマネジメントであり、社内問い合わせ対応の効率化や従業員が働きやすい環境作りに貢献するサービスです。
LayerX
LayerXは、請求書の受け取りから経理・会計処理をまとめて自動化するクラウド型経理DX支援システム「バクラク請求書」を提供しています。
累計2000社以上が導入しており、様々なフォーマットの請求書を５秒でデータ化し、仕訳データを自動学習して、手入力ゼロで数値処理が可能です。
BizteX
BizteXは、オートメーションテクノロジーで業務効率化し、より生産的・創造的な仕事に取り組む生み出すことを目指す企業です。
システム入力・データ入力の自動化をノーコードで実現するSaaSや様々なシステムをクラウド上で一元管理できるサービスも提供しています。
jinjer
jinjerは、バックオフィス向け業務効率化のクラウドサービス「ジンジャーシリーズ」を提供しています。
ジンジャーシリーズは主に以下で構成されています。
- 勤怠管理・給与管理などの人事向けプラットフォーム
- 経費や交通費精算を自動化する経理向けプラットフォーム
- 安全なセキュリティを備えた電子契約サービス
- 会議・商談・面接・ウェビナーなどワンクリックで会議できるコミュニケーションツール
スポンサーリンク
WEBマーケティング用SaaS企業
データX
データXは、マーケティングDXを実現するデータマーケティングツール「b→dash」を開発・提供するベンチャー企業です。
「b→dash」なら顧客アプローチから顧客/売上/サイトアクセスなどのデータ収集と分析をオールインワンで対応しており、データに基づく戦略立案が可能です。
KiZUKAI
KiZUKAIは、顧客体験管理が収益に繋がる次世代型CXMツール「KiZUKAI」を提供しています。
「KiZUKAI」は、大量の顧客データを分析可能な形に整理し、リアルタイムに可視化します。AIがユーザーごとに解約リスクを自動算出したり、アップセル可能性や有料会員化などの任意の軸で予測分析が可能です。
microCMS
microCMSは、APIベースの日本製ヘッドレスCMS「microCMS」を提供する企業です。
従来のCMSでは、インターネットやメディアにおいてコンテンツを管理する際に、ページ全体（ヘッド（表示面））を管理する必要がありました。
ヘッドレスCMSなら、コンテンツをAPIから取得し、サイトやアプリ内の任意のコンテンツのみを管理することが可能です。
これによりコンテンツごとの管理更新が容易になり、運用コスト削減につながります。
※CMS：コンテンツ・マネジメント・システム
PinPon
PinPonは、新しいショッピング体験ができる店舗に特化したライブコマースアプリを提供する企業です。
店舗から商品説明をリアルタイムで配信し、店員とオンラインでリアルタイム交流することも可能です。
REGALI
REGALIは、ECサイトの顧客体験向上ツール「LEEEP」を提供しています。
Instagramから収集した投稿を簡単にサイトに掲載したり、ECサイトに動画コンテンツを差し込んだりして顧客体験を向上し、売上への貢献度を可視化してくれます。
サイカ
サイカは、独自のデータサイエンス技術を用いたマーケティングソリューションを展開しています。
2016年よりテレビCMや屋外広告など様々な広告効果を統合的に分析するツール「MAGELLAN（マゼラン）」を提供し、2020年にノウハウを生かして成果報酬型テレビCM広告代理店事業「ADVA（アドバ）」を始めています。
スポンサーリンク
データ分析用SaaS企業
datagusto
datagustoは、次の一手まで提案してくるSaaS型データAI分析ツール「datagusto」を提供する企業です。
datagustoは、現場に大量に蓄積されたスモールデータ（表計算ソフトやExcelなど）に着目し、単純なデータの可視化に留まらず、AIによる将来の予測や次の一手まで提案してくれます。
dotData
dotDataは、AI開発のプロセスを自動化するソフト「dotData」を提供する企業です。
目的設定・分析・結果取得まで数か月かかるを言われるデータサイエンスプロセスを自動化により数日で行い、特段のスキルを要せずに根拠が明確な予測結果を得ることができます。
現在は、アメリカと日本にオフィスを構えています。
スポンサーリンク
分野特化系SaaS企業
【ビジネスマッチング】クラウドワークス
クラウドワークスは、国内№１のクラウドソーシングサービスの会社です。
企業と個人がオンラインで直接つながり、仕事を受発注できるサービスを提供しており、企業に所属しない「フリーランス」という働き方を支援します。
【製造業DX】SUPWAT
SUPWATは、製造業で蓄積されたデータのAI化により研究開発を支援する会社です。
これまでの研究開発方式である一つずつ地道に検証するスタイルから蓄積データを基に最適解を迅速に弾き出すデータドリブンの開発に移行することが可能です。
【物流DX】ロジクラ
ロジクラは、入荷から在庫管理、受注オーダーの自動取り込みから出荷までの物流オペレーションを一元管理するクラウド在庫管理SaaS「ロジクラ」を提供しています。
従来のハンディターミナルではなく、iPhoneだけで検品可能で、連続した高速スキャンもできるので物理面でも業務効率化を実現できます。
【医療DX】3Sunny
3Sunnyは、医療現場の入退院支援業務の負担軽減・効率化をサポートするクラウドサービス「CARE BOOK」を提供しています。
CARE BOOKは、入退院の調整状況を可視化し、転院などを打診していた病院への診断情報提供やキャンセル連絡などを一括で行うことができます。
【建設業DX】アルダグラム
アルダグラムは、現場のDXを実現する施工管理アプリ「KANNA（カンナ）」を提供しています。
現場の進捗、顧客情報や物件情報を一元管理し、図面や現場写真含めて最新情報を常にリアルタイムに共有することができます。
登録した写真から簡単に報告書を作成できたり、チャット機能で簡単に報告・相談ができるため効率的に仕事を進めることができます。
スポンサーリンク
【教育DX】モノグサ
モノグサは、学生の記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer」を提供しています。
Monoxerは、適切な難易度の問題を自動生成し、記憶度と学習状況の可視化・学習計画の立案をしてくれます。
【店舗管理DX】カンリー
カンリーは、店舗情報の管理・運用業務をラクにするクラウド型店舗情報一括管理サービス「Canly」を提供しています。
「Canly」は、Googleと連携しておりGoogleビジネスプロフィールを簡単一括更新できます。
SNSとも連携しており、テンプレート機能を使いながら簡単に口コミへの返信できたりホームページへのアクセス情報なども踏まえて現状分析もできます。
【行政DX】グラファー
グラファーは、行政のIT活用を推進するGraffer Platform™を提供するベンチャー企業です。
Graffer Platform™は、役所窓口のWEB予約や行政手続きをスマホで完結できます。
コロナ渦では10万円給付のオンライン手続きサービスとして活用されています。
【保育園DX】ユニファ
ユニファは、IoTを活用した保育現場の業務効率化を実現する「ルクミー」を提供するベンチャー企業です。
子供たちの登園状況、お昼寝の記録、体温チェックや連絡帳の記入などアナログ的な保育業務をICT・IoTの力でデジタル化します。
【フィットネスジム管理】hacomono
hacomonoは、フィットネスクラブ・スクール向けの会員管理・予約・キャッシュレス決済システム「hacomono」を開発・販売しています。
hacomonoを使えば、入会手続きはスマホで完結し、顧客情報を基に最適な接客が可能になり、オンラインレッスンもスムーズに開講できます。
スポンサーリンク
まとめ
今回は、『SaaS』をキーワードにベンチャー・スタートアップ企業を紹介しました。
一口にSaaSと言っても様々な分野・視点でサービスが提供されており、この他にも魅力的なサービスを提供する企業は多数存在します。
日本には他にも多くの魅力的なベンチャーが日々新しいサービスを打ち出しているので、ぜひ他のキーワードでも面白いベンチャーを探してみてください。
以上
